人間関係のバイブルであるD・カーネギーの「人を動かす」
今回は子供に好かれるための原則についてお伝えします。
教員をしていると、子どもとの関係がうまくいかない、子どもとの心の距離が遠いと感じるなど色々な苦労がありますよね。
そんな時に使えるD・カーネギーの人間関係の原則をご紹介します。
それは「子供に誠実な関心を寄せること」です。
D・カーネギーの「人を動かす」は90年近く経った今でも、多くの新刊書店に話題の書として紹介されている人間関係のバイブルと言われている本です。
90年経っても読み継がれているということはこの本に書かれていることが、本質をついているということでもあります。
教師と子供の関係も結局は人間関係ですので、学校現場で活かせることがたくさんありますね。
ただし、今回ご紹介する内容はあくまでも多くの子どもに対してです。
人間関係の法則に2:6:2の法則があります。これは、自分のことを好きになる人が2割、普通の人が6割、そして嫌いになる人が2割という法則があります。つまり、どんなに努力をしても全員に好かれるということはまずないので、そういった努力はやめておいた方がよいでしょう。
しかし、クラスの子供の8割に好かれていれば学級運営はほぼ成功と言えます。ということは、先程の法則でいえば6割の普通の子から好感を持たれれば良いということになります。
カーネギーは著書の中で、人に好かれる達人として犬を例にあげています。
犬は人に好かれる達人です。
犬は飼い主を見つけると全力で尻尾を振って近づいてきます。その姿からは、裏表のない飼い主への愛情が見られます。そんな姿を見て人間はもう犬にメロメロです。
これと同じような考え方をしなさいと言うのがカーネギー先生の答えです。
学校現場で応用するとなると以下の方法が考えられます。
・子供の名前や誕生日を覚えること
・いつもこちらから挨拶をすること
・子供の好きなことや嫌いなことを知ること
・よく子供のことを観察すること
・一緒に遊ぶこと
はっきり言って特別なことは何もしていません。しかし当たり前のことでも、「先生が私のことを覚えてくれた。」「先生は自分のことをよく見てくれている。」と子供からすると嬉しいに違いありません。このような当たり前の積み重ねが子供との良い関係を築く秘訣なのかもしれません。
ちなみに、子供のことを覚えるのが苦手な方は覚えるためのコツがあります。
それは、子供について知り得た情報をアウトプットすることです。人間はインプットした情報をアウトプットすることで、脳に情報が刻まれると言う研究結果もあります。
例えば、手帳に子供の誕生日をメモしたり、時間がない時は職員室で同僚の教員に「〇〇さんって〜〜が好きなんですって。」と知りえた子供のことを話してみるとよいでしょう。また、1日の振り返りに今日あった子供とのポジティブなエピソードを記録しておくという方法も考えられます。先生は多忙ですので、1日5分から始めてみましょう。
だだし、気をつけていただきたいのが、子供に媚びを売ることではないということです。そうした態度は子供との人間関係をこじらせる原因となります。あくまで「あなたと仲良くなりたい。」という誠実な思いを忘れてはなりませんね。
子供との関係に悩むと毎日が辛いですよね。
しかし、あれこれ悩むことは一度やめて、D・カーネギーの本質をついた原則をシンプルに実行すると、今よりもちょっと良い結果が生まれるかもしれません。